小規模なネットショップのGoogle Analyticsを開くと、流入元の最多が「direct」になっていることがよくあります。分析上は、どこから来たのか分からないという意味です。その多くは、メールマガジン、Instagramのプロフィール、チラシ、SMSなど、GA4に流入元を伝えていない経路です。UTMパラメータを使えば、この問題を解決できます。URLに5つの情報を加えることで、訪問につながったキャンペーン、チャネル、掲載場所をアクセス解析で正確に把握できます。
5つのUTMパラメータ
| パラメータ | 分かること | 例 |
|---|---|---|
| utm_source | 訪問者はどこから来たか | newsletter, instagram, leaflet |
| utm_medium | どの種類のチャネルか | email, social, cpc, sms, qr |
| utm_campaign | どのキャンペーンか | black-friday-2026 |
| utm_content | どのバージョン、掲載場所か | bio, story, hero-button |
| utm_term | どのキーワードか、有料検索のみ | winter-coats |
特に重要なのはsource、medium、campaignの3つで、contentとtermは任意です。タグ付きURLはexample.jp/black-friday?utm_source=newsletter&utm_medium=email&utm_campaign=black-friday-2026のようになります。UTMリンクジェネレーターなら、フォームに入力するだけで作成でき、スペルミスも防げます。
GA4のレポートを整理するためのルール
- すべて小文字にします。GA4はEmailとemailを別のメディアとして扱うため、同じ流入が別々に集計されてしまいます。
- 区切り文字を統一します。ハイフンかアンダースコアを使い、スペースは避けます。どちらか一方を選び、常に同じ形式を使ってください。値にスペースを含める必要がある場合はURLエンコーダーを使えますが、できればスペース自体を削除する方が適切です。
- GA4が認識できるメディアを使います。email、social、cpc、affiliate、referral、display、smsは、適切なデフォルトチャネルに自動分類されます。instaやflyerなど独自のメディア名は「Unassigned」に分類されます。
- 自社サイト内のリンクにはUTMを付けません。内部リンクにタグを付けると、誤った流入元でセッションが再開され、本来の流入元が失われます。
- 命名ルールを文書化します。使用可能なsourceとmediumを共有文書にまとめ、管理する担当者を1人決めます。
日本のショップを想定したブラックフライデー施策の例
リンク先はexample.jp/black-fridayです。キャンペーン名はすべてblack-friday-2026で統一し、掲載場所ごとにsource、medium、contentを設定します。
| 掲載場所 | utm_source | utm_medium | utm_content |
|---|---|---|---|
| メールマガジンのメインボタン | newsletter | hero-button | |
| メールマガジンのフッターリンク | newsletter | footer | |
| Instagramプロフィールページのボタン | social | bio | |
| Instagramストーリーズのリンク | social | story | |
| 顧客向けSMS | sms | sms | launch |
| チラシのQRコード | leaflet | qr | front |
| Google Ads | 自動タグ設定を有効にし、UTMを手動で追加しない | ||
qrというmediumは、GA4でカスタムチャネルグループを作成しない限り「Unassigned」に表示されます。ただしsourceとmediumは記録されているため、フィルタリングは可能です。キャンペーン後の月曜日に結果を確認するには、それで十分です。
タグ付きURLを表に出さない
タグ付きURLは長く見栄えもよくありません。チラシを見ながら手入力する人もまずいません。掲載場所ごとにタグ付きリンクを用意し、それぞれを短縮リンクの転送先に設定します。チラシにはdigily.bio/bf-leaflet、SMSにはdigily.bio/bf-smsを使えば、UTMタグはリダイレクト時に表へ出ることなく引き継がれます。Digily Linkでは、すべてのプランでリンク設定からUTMパラメータを追加することもできます。貼り付けるリンク先URLはそのままに、リダイレクト時にタグが適用されます。どちらの方法でも、訪問者が目にするのは短いブランドURLで、GA4には完全なUTMタグが渡されます。リンクのアクセス解析には、クリック数に加えてUTMのsource、medium、campaignも記録されます。
チラシ用のQRコードは、タグ付きURLではなく短縮リンクから生成します。コードが単純になって読み取りやすく、印刷後もリンク先を変更できます。ドメインとスラッグの選び方は、独自ドメインを使ったブランド短縮リンクのガイドで説明しています。
GA4で結果を確認する方法
- 「レポート」、「集客」、「トラフィック獲得」の順に開きます。
- プライマリディメンションを「セッションの参照元 / メディア」に変更します。上の表にある掲載場所が行ごとに表示されます。
- セカンダリディメンションに「セッションのキャンペーン」を追加するか、black-friday-2026で絞り込み、このキャンペーンだけを表示します。
- セッション数だけでなく、コンバージョンも比較します。訪問者数が少なくても購入数が多い掲載場所は、次回も使う価値があります。
結論を出すまで少なくとも1週間は待ち、キャンペーン終了後も短縮リンクを有効にしておきます。チラシのQRコードは数か月後に読み取られることもあります。
データを気付かないうちに壊す設定ミス
- チーム内で大文字と小文字が統一されず、同じsourceが3つに分かれて表示される。
- タグ付きページURLをコピーして共有した結果、WhatsAppで転送されたアクセスまでメールマガジン経由として記録される。
- Google Adsの自動タグ設定が有効な状態でUTMを追加し、2つの計測情報に不一致が生じる。
- utm_sourceにキャンペーン名を入れ、utm_campaignに流入元を入れる。sourceはどこから、mediumはどの方法で、campaignは何の施策かを示します。
- 他社サイトへのリンクにUTMを付ける。タグが記録されるのは相手側のアクセス解析で、自社側では何も確認できません。
タグ付きリンクが正しく動かない場合は、URLパーサーに貼り付けて各パラメータを1行ずつ確認します。さらにURLリダイレクトチェッカーを使えば、リダイレクト後もタグが引き継がれているか確認できます。
プロフィールリンクページのボタンにUTMを付ける
プロフィールリンクページに並ぶボタンも、それぞれが異なる掲載場所です。自社サイトへ移動する各ボタンには、bio-shop、bio-booking、bio-newsletterなど個別のutm_contentを設定します。utm_sourceにはプロフィールを掲載しているプラットフォーム名、utm_mediumにはsocialを指定します。同じページをInstagramとTikTokの両方からリンクしている場合、UTMタグだけでは2つを区別できません。ページ側の参照元レポートなら判別でき、各プラットフォームのプロフィールに別々の短縮リンクを設定すれば、さらに正確に計測できます。常設ボタンではキャンペーン名を固定し、開催中のキャンペーンへ誘導する先頭ボタンだけキャンペーン名を変更します。
よくある質問
UTMパラメータを付けると検索順位に影響しますか?
いいえ。Googleはランキングの判断ではUTMパラメータを無視し、タグ付きURLを同じページとして扱います。ただし、そのページにcanonicalタグが設定されている必要があります。ほぼすべてのネットショップ向けプラットフォームでは、標準で追加されています。
プロフィールリンクページでもUTMを使えますか?
はい。自社サイトにつながる各ボタンのリンク先にタグを付けます。Digily Linkページでは各ボタンのクリック数も個別に計測されるため、両方のデータを確認できます。
同意バナーがなくてもUTMパラメータは使えますか?
UTMパラメータはURLの一部であり、Cookieではありません。日本でGA4を利用する場合は、個人情報保護法や電気通信事業法の外部送信規律などに応じた告知や同意の対応が必要です。Digily Linkのアクセス解析はトラッキングCookieを使わずに収集されるため、同意は必要ありません。
utm_idとは何ですか?
任意で設定できるキャンペーンIDです。GA4の設定内で定義したキャンペーンや、インポートした費用データと訪問を照合するために使います。ほとんどの小規模事業者には必要ありません。
キャンペーン名に年を入れた方がよいですか?
繰り返し実施するキャンペーンなら、年を入れます。black-friday-2026とblack-friday-2027なら比較できますが、どちらもblack-fridayでは区別できません。
公開前の最終確認
- 掲載場所ごとにsource、medium、contentを設定し、すべて小文字にしている。
- GA4が認識できるmediumを使っている。
- タグ付きURLを短縮リンクの転送先に設定し、QRコードも短縮リンクを参照している。
- 自社サイト内のリンクにUTMタグを付けていない。
- チーム全員が確認できる場所に命名ルールを記載している。